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2018年10月15日の大崎裕史の今日の一杯

東京都新宿区西新宿

宇和島真鯛 塩らーめん

「愛の貧乏脱出大作戦」という番組があった。お客さんが入らずに苦しんでいるお店が成功している「師匠」に教えを乞い、まさに「貧乏」から「脱出」する、という番組だ。しかし、売れないお店は「味」の問題だけではなく、その人の性根がダメな場合が多い。なのでこの番組に出て一時期はよくなってもすぐにダメになっていくケースが多い。そんな中、番組出演で立ち直ったお店が2軒ある。(私が覚えてる範囲)
一軒は町田の「胡心房」。(番組出演時は「虎心房」)そしてもう一軒がここ「麺屋翔」である。
まだ店主が池袋の集合施設にいた頃から知っており、ここをオープンした時も早いうちに行っていた。新宿とはいえ、駅からはそこそこ距離があり、個性もなかったので苦戦していた。番組に出たのは2011年。番組上の師匠は「麺屋こうじグループ」の田代浩二さん。田代さんもこれでさらに有名になっていった。味を教わったのは同じ田代さんの弟子である東十条「麺処 ほん田」の本田さん。番組出てからは他のお店と同様に大行列。あとはそれを維持できるかどうか。意外と言ってはなんだが、ここは快進撃を続けた。そして2016年4月に品川の品達(集合施設)に出店。他のお店が有名店ばかりだったのでまさに「有名店の仲間入り」というわけだ。その時も驚いたが、今度は新宿高層ビル(野村ビル)のテナントとして出店。難条件の出店を2度も続けて実現したのだからすごい。店主は言っている。「自分の殻を破ることができる勇気があれば人は変わることができるんだ」と。そしてこんなことも。「現状で止まらずに永遠に進化していくということが重要」。これは荻窪の「春木屋」が言う「舌が肥えていくラーメン好きのお客さんに、「いつも変わらず美味しい」と言わせるためには、
常に進化し続けなければいけない。」という春木屋理論と同じ。一風堂が唱える「変わらないために変わり続ける」というのも同じ。人間変われば変わるモノである。
余談が長くなったが、開店日に行ったら50人以上の行列で一度は諦め、落ち着いた頃にようやく再訪。それでも7−8人の待ちだった。この店のコンセプトは「宇和島真鯛ラーメン」。後発となってしまったがまだまだ需要はあると思う。券売機で上位の塩らーめん850円を注文。大きな丼に綺麗に盛り付けられたラーメンは見るからにうまそう。トッピングはチャーシュー、穂先メンマ、三つ葉、アオサ、青ねぎ。 スープは鯛と鶏の清湯。旨味十分。麺は昔からの菅野製麺所製ストレート細麺。なかなかの仕上がり。新宿駅よりも丸の内線西新宿駅が近いかも。

お店データ

麺屋 翔 みなと

麺屋 翔 みなと

東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル地下二階(西新宿)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。